日本人がイタリア人と結婚してイタリアに住むために必要な許可証、滞在許可証の申請手続きについて、わたしが実際に行った流れをお伝えします。
これからイタリア人と結婚して、イタリアで暮らす予定の方は参考にしてみてください。
イタリア人と結婚してイタリアで暮らすために、乗り越えなければいけない壁が諸々の手続き。
なかでもメインとなるのがイタリアに住むための許可、滞在許可証の取得です。
そのほかにも、イタリアでの滞在先やイタリアへの入国方法によっては、必要となる手続きがあります。
この記事では、イタリアの滞在許可証の申請をはじめとした関連手続きを4つに分けて説明します。
- Dichiarazione di Ospitalità を提出(地元の警察署)
- Dichiarazione di Presenza を提出(クエストゥーラ)
- Carta di Soggiorno の申請(クエストゥーラ)
- Carta di Soggiorno の受取(クエストゥーラ)
それでは、わたしが滞在許可証を申請した当時を振り返りながら、ご紹介していきたいと思います!
- 2015年に観光目的で入国、ビザなしで滞在できる90日間以内に北イタリアで結婚、滞在許可手続きをしました。
- 手続きに必要な書類や手数料などは、当時のものです。
- 当時と手続きの流れが変わっている可能性もあります。
- 申請先や担当者によって必要書類や対応が異なる場合があります。
イタリアの制度は頻繁に変わるので、必ず現時点の手続きをご自身でご確認ください。
目次
Dichiarazione di Ospitalità を提出
Dichiarazione di Ospitalità は、外国人の滞在を受け入れる側が到着後48日以内に申請するもの。
ホテルに滞在する場合は必要ありませんが、結婚する相手の家など個人宅に滞在する場合に必要となります。
わたしはイタリア入国後、夫の家に滞在したので、最寄りの警察署に夫と一緒に行って、申請しました。
【申請場所】
地元の警察署
【必要なもの】
- 本人のパスポート
- 受入側の身分証明書
- 申請書(警察署にありました)
地元の警察署ということもあって、待ち時間ゼロ。
手続きも10分くらいで終わりました。
(イタリアのお役所全般にいえることですが)受付時間に注意です!
到着後48時間以内に手続きをする必要があります。
Dichiarazione di Presenza を提出
Dichiarazione di Presenza は、シェンゲン協定加盟国経由でイタリアへ入国した場合に、8日以内に申請する必要があります。
イタリアの空港で入国手続きをした場合は必要ありません。
わたしの場合は、パリ経由でイタリアへ入国したので、クエストゥーラ(Questura/警察署)で申請しました。
【申請場所】
管轄のクエストゥーラ
【必要なもの】
- パスポートのコピー
- 申請書(クエストゥーラにありました)
パスポートのコピーは、顔写真や名前などが記載されているページと、入国時のスタンプのあるページのみでOKと言われました。
クエストゥーラにある書類に記入して終了。
わたしの前に3人ほどいましたが、30分ほど待って順番が来ました。
この手続きは、ひとりで行ったのですが、親切に対応してもらえてラッキーでした。
*クエストゥーラによって、必要書類が異なる可能性もあります。必ず管轄のクエストゥーラでご確認ください。
- 該当する場合は、イタリア入国後8日以内に手続きをする必要があります。
- 滞在許可証の申請に必要となります。
Carta di Soggiorno(滞在許可証)とは?
カルタ・ディ・ソッジョルノ(Carta di Soggiorno)とは、イタリアの滞在許可証のひとつ。
イタリアの滞在許可証というと、ペルメッソ・ディ・ソッジョルノ(Permesso di Soggiorno/通称ペルメッソ)というのをよく聞きますが、こちらは留学や仕事などでイタリアに住む人たちの滞在許可証。
EU市民の家族に発行される滞在許可証は、カルタ・ディ・ソッジョルノ(Carta di Soggiorno)のひとつで、
正式名称は
Carta di Soggiorno di Familiare di un cittadino dell’unione
(Residence card of a family member of a union citizen)
長いので、以下、Carta di Soggiorno または カルタ と省略します。
ペルメッソ・ディ・ソッジョルノとカルタ・ディ・ソッジョルノは、申請方法も必要書類も違います。
手続きを行う担当者でも混同していることがあるので注意が必要です。
また、ペルメッソはカードタイプ(クレジットカードサイズ)を選択することができますが、カルタは紙(A5)になります。
【追記】2021年8月から家族用の滞在証明書もカードタイプになるそうです。詳細は各自でご確認ください。
EU市民の家族に発行される滞在許可証はCarta di Soggiorno(カルタ・ディ・ソッジョルノ)。
イタリア人と結婚した場合はペルメッソではなく、カルタ・ディ・ソッジョルノを取得します。
Carta di Soggiorno(滞在許可証)の申請
イタリア人と結婚した人が受け取る滞在許可証、 Carta di Soggiorno(カルタ・ディ・ソッジョルノ)を申請した際の流れをご説明します。
現在はプロセスが変わっているので、あくまで参考程度にご覧ください。
イタリアでの結婚式が終わったら、滞在許可証の申請を行います。
わたしは、観光目的でイタリアに入国したので、ビザなしで滞在できる90日以内に滞在許可証を申請しなければいけません。
イタリア入国後、2か月弱でクエストゥーラ(Questura/警察署)内にある移民局オフィスへ滞在許可証の申請に行きました。
まずは、事前に必要書類を電話で問い合わせ。
【申請場所】
管轄のクエストゥーラ内の移民局オフィス
【必要なもの】
- 結婚証明書(Certificato di Matrimonio)
- Dichiarazione di Presenza のコピー
- Dichiarazione di ospitalita のコピー
- 結婚相手の身分証明書(Carta d’identità)のコピー
- 結婚相手の収入証明書(前年のCUD、直近の給与明細)のコピー
- パスポート(写真ページと入国スタンプページのコピー)
- 写真 4部
- 16ユーロの収入印紙(Marca da bollo )
写真のサイズは、指示されなかったので、日本でパスポート用に撮った証明写真を持っていきました。
滞在許可証の手続きを行うのは、警察署(クエストゥーラ)内にある移民局オフィス。
必要書類に結婚相手の書類もあったので、念のために夫と一緒に行きました。
受付時間が8時から13時のところ、9時ごろ着いて、番号札をもらいました。
待合室は、すでに移民であふれかえっていました。
アフリカ系、中東系の移民がほとんどで、中国系がちらほら、日本人はわたし一人でした。
当日はとても暑く、待合室はなんとも言えないにおいが漂っていたので、番号が表示される電光掲示板を見ながら建物の外で待ちました。
待つこと3時間。
ようやく自分の番号が出て、書類を提出するブースに呼ばれました。
イタリア人の夫が一緒にいたためか、日本人ということもあってか、他のブースで手続きを行っている人たちよりも、書類の確認はスムーズに終了。
書類を提出したら、別部屋に行き、指紋採取。
滞在許可証の申請用紙の一部を切り取った半券をもらって申請手続きは完了です。
この半券は、滞在許可証の受取に必要で、滞在許可証が発行されるまでの証明書になるので大事に保管。
半券の裏面には、番号が記載されていて、クエストゥーラのサイトで滞在許可証が発行されたか確認できるようになっていました。
待ち時間は恐ろしく長かったですが、手続きはとってもスムーズでホッとしました。
- 観光目的(ビザなしで)入国した場合は、入国から90日以内に申請が必要
- 半券は受取や滞在許可証申請中の証明に必要なのでなくさないように!
- 結婚相手(イタリア人)と一緒に行った方がスムーズです
- 必要書類や手続き方法については、管轄&最新の情報をご確認ください。
2015年に手続きをした当時は予約なしでクエストゥーラに直接行って申請できました。
2020年現在、CUPA Project というサイトで手続き日を予約する方式になっているようです。(こちらも変更の可能性もあるので、必ずご自身でご確認ください。)
Carta di Soggiorno(滞在許可証)の受取
滞在許可証が発行されたら、クエストゥーラで受け取り。
SMSで連絡が来るとのことでしたが、半券の裏面に書かれていたサイトで毎日チェックをしていたので、SMSが来る前に確認できました。
申請からちょうど2週間で発行されました。
【受取場所】
管轄のクエストゥーラ
【必要なもの】
- パスポート
- 滞在許可証申請時にもらった半券
申請時の教訓を生かし、受付開始直後に行ったのですが、1時間ほど待ちました。
半券を渡して、受け取った滞在許可証(カルタ・ディ・ソッジョルノ)は、A5サイズのペラペラの紙。
滞在許可証の有効期限は5年。
紙の証明書を5年間持ち歩くのは不安なので、100均のビニールシートを加工してカバーを作りました。
この家族用のカルタ・ディ・ソッジョルノ、5年経過した後は、無期限の滞在許可証になります。
イタリアで生活するために必要となる Codice Fisicale(納税者番号)もこちらに記載されています。
イタリアで生活するための手続きのまとめ
イタリアで結婚して、イタリアで暮らすために必要な滞在許可証の申請など、各種手続きの流れをご紹介しました。
わたしが行った手続きは以下の4つ。
- Dichiarazione di Ospitalità を提出(地元の警察署)
- Dichiarazione di Presenza を提出(クエストゥーラ)
- Carta di Soggiorno の申請(クエストゥーラ)
- Carta di Soggiorno の受取(クエストゥーラ)
今回ご紹介したのは、あくまでもわたしが手続きを行った2015年のものです。
必要書類や手続きの流れは、当時から変更されている可能性があるのでご注意ください。
また、イタリアでは、地域や部署、担当者によって、手続きの流れが異なることが多々あります。
ブログなどの情報は参考程度にし、必ずご自身で担当部署にご確認ください。
(わたしが手続きをしたときも、参考にしたブログとは必要書類などが違うことがありました。)
この記事をマニュアルにするのではなく、「こんな流れなんだな」程度に読んでもらえるとうれしいです。
これから手続きを行う方は、必ず管轄の警察署などにご自身で問い合わせて最新の情報をご確認ください。
苦労して取得した滞在許可証も、有効期限の5年が近づいています。
今年は更新の年。
最近は、滞在許可証の手続きにとても時間がかかるという話をよく聞きます。
今から頭が痛いですが、何とか乗り越えたいと思います!
>イタリア人とイタリア方式で結婚してイタリアに住むための手続きまとめ
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>イタリアのEU市民家族用滞在許可証の更新手続き